生後6か月で生卵と小麦のアレルギー発症! 離乳食アドバイザーの体験談

体験談

離乳食での心配事といえばアレルギーですよね。離乳食が順調に進んでいるように思えた保育園入園前の3月。娘のアレルギーが発覚しました。

私の家族はアレルギーと縁がないとばかり思っていたので「まさかうちの子が…」というのが正直な感想です。

私の経験が少しでも悩まれている皆様のお役に立てればと、今日は体験談をお話ししたいと思います。

※アレルギー症状が出た際の画像が含まれています。苦手な方はご注意ください。

アレルギー発症までの経緯

私の娘は生後6か月半で、4月に0歳児入園をする予定でした。そのため入園前の3月に保育園からいただいた離乳食の食材チェック表を基にアレルギー反応が出ないかチェックを行っていました。

試す時に緊張感がある食材が三大アレルゲンといわれている【卵・小麦・乳】です。乳は粉ミルクが飲めていたのでクリアとして、卵黄と小麦のどちらから始めるべきか考え、卵から始めることにしました。なんとなくの理由ですが、確実に微量ずつ進められそうなのが卵の方かなと思ったからです。

卵スタート

おかゆや野菜に慣れてきた生後5か月半に初めて卵黄を食べました。発育が順調だったので生後4か月半から離乳食を開始し、離乳食スタートから1か月後に卵黄デビューしました。

卵白は卵黄に比べてアレルゲンが強いので、まずは卵黄から

茹であげてから時間が経ってしまうと、卵白のアレルゲンが卵黄に移行してしまうので、必ずすぐに皮をむいて卵黄の中心部を取り出すようにしてください。取り出す際のスプーンや包丁や指も触れないように注意です。

最初のうちはそこまで量を使わないのでケースに入れて冷凍し、卵ひとつからとった白身に触れていない部分の卵黄を5日間ほどで使い切りました。

余談ですが、卵黄の準備をしていた時にゆで卵を割ると、黄身の中に白いふわっとしたものが入っていました。一見黄身の中に白身が混ざったように思えて心配になりましたが、調べたところ正体はカラザのようです。カラザが入っていた場合は取り除くだけで問題なく食べられます。

よく耳にする【卵黄は耳かきひとさじから】というのは特に定められているものではありません。ですが、一気に多量を摂取するとアレルギーを引き起こしやすいため少量ずつから始めまることが推奨されていて、その目安として耳かきひとさじがいわれるようになったようです。

慎重に進めたかったので私も耳かきひとさじからスタートしました。週に4.5回卵黄をあげて、耳かきひとさじ、ふたさじ、と毎回増やしていき、卵黄は小さじ2程度まで順調に進んでいきました。

卵アレルギーじゃないの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、加熱した卵はここまで問題なく食べれていたのです。

小麦スタート

卵黄が順調に進み、小麦も早めにスタートしなきゃと思い、離乳食を食べ始めてから1か月と1週間。卵黄を食べ始めてから1週間後に小麦もスタートすることにしました。

スタートする日にちの決め方は、3月の下旬だと万が一アレルギーだった時に保育園直前でバタバタすると思ったこと、平日の午前中にしたかったこと、前後で予定がなかったことなどから決めました。

小麦はうどんやそうめん、パンやお麩など様々なものに使われていますが、我が家では小麦をパン粥でスタートすることにしました。

ミルクでパンをふやかす作り方もありますが、最初はシンプルにしたかったのでお水とパンで作りました。

一口目は問題なく食べましたが、二口目からはベーっと出してしまい、そこから5分も経たないうちに口の周りに発疹が出てきました。その時の写真です。

念のため服を脱いで全身を確認してみると、胸のあたりと背中、太ももに発疹がありました。

痛々しい写真を載せてしまいすみません。アレルギーか判断しにくいと悩んでいる方の参考になればと思い載せることにいたしました。

蚊に刺されのように中心がぷくっと腫れており、今までみたことのない皮膚状態だったのでアレルギーを確信し、すぐにアレルギー科のある小児科へ受診しました。

かかりつけの小児科でも良いのですが、血液検査など詳しくみていく場合は結局アレルギー科のある病院に回されるので、直接アレルギー科のある小児科に行くのがおすすめです。

午前中の9時30分ごろに食べて病院が11時の予約だったので、医師にみせるために皮膚状態を撮影しました。病院に着くころには赤みが落ち着いていたので、写真をみせると相談がしやすく撮っておいてよかったと思います。

ここまでつらつらと書き綴っていますが、当時は大焦りで1人でプチパニック状態です。本人は元気に動き回っており、咳症状などもなく普段通りの様子だったので、不安な心が救われたことを覚えています。離乳食やアレルギーの勉強を人一倍していたつもりでしたが、実践はそう簡単ではないことを痛感しました。

血液検査でアレルギーと診断

アレルギー科の先生だったので話しが早く、血液検査をしましょうということになりました。保険適応内で最大13項目検査出来るとのことで先生と相談しながら13項目を決めていきます。

まずは、今回アレルギー疑いのある①小麦と、小麦に含まれるタンパク質のコンポーネント(=アレルゲン活性を有するタンパク質)である②ω‐5グリアジン(=オメガファイブグリアジン)を調べることに。

次に乳児にアレルギーの出やすい③卵黄④卵白と、卵白の中にあるタンパク質である⑤オボムコイドを選択しました。オボムコイドは加熱しても変性しないことが特徴で、加熱した卵のアレルギー反応を示すような意味合いを持ちます。

さらに、春の花粉シーズンだったので花粉のアレルギー項目も調べておきましょうということになり、⑥ハンノキ⑦シラカンバ⑧ヒノキ⑨スギを選択。

残り3項目は医師にお任せし、⑩ハウスダスト⑪ダニ⑫ピーナッツ⑬カシューナッツで13項目を調べていただくことになりました。

ちなみに、アレルギー検査は初めて口にしてから2週間が経過している方が結果が出やすいということだったので、アレルギー反応が出てから2週間後に血液検査を受けました。

ちなみに先生から、生後半年以降であれば大方母親からの血ではなく子ども本人の血になっていることが多いので、保険適応外ですが3000円で血液型の検査もできますよと教えていただき、ついでに血液型も検査していただきました。気になっていたのでラッキーです(笑)

アレルギー検査の結果

卵白(+++)卵黄(++)小麦(++)ω‐5グリアジン(+)の4項目が陽性でした。

オボムコイドは-判定だったので、加熱した卵はパスしたという意味になります。つまり小麦アレルギーと生卵アレルギーの2つが娘のアレルギーであることが発覚しました。

小麦だけかと思っていたらまさかの生卵もアレルギーとは…。ちょうど加熱した卵黄を進めていたところだったので正直びっくりしましたが、加熱した卵は食べられるし!と前向きにとらえることにしました。

保育園への連絡 手続きについて

疑いが出た時点で保育園に連絡

私はアレルギーが疑われる症状が出た時点で(食パンを食べた日の受診後)念のため保育園へ連絡をしました。まだ血液検査をしておらず診断はついていない段階でしたが、血液検査をする予定であることも含めてお伝えしました。

すると、保育園の看護師さんが「何度も病院に行くのは大変だと思うので、診断後医師に記入してもらう必要のある書類をFAXで送っておきますね」と気遣ってくださいました。次の受診時に医師に依頼することが出来たのでありがたかったです。

子どもの安全な生活のためには保育園との連携が不可欠になってくるので、コミュニケーションをとる意味でも、できるだけ早いタイミングで保育園に連絡するのが良いと思います。

2週間後血液検査の結果が出た時には、病院を出てすぐに電話をしました。保育園との電話でやり取りをする中で、医師に確認しておくべき事項があったことに気が付き、すぐに聞きに戻ることが出来たのでタイミングとしては病院を出てすぐがおすすめです。

生活管理表を保育園に提出

保育園でアレルギー対応をしていただくには生活管理表といわれる書類の提出が必要です。私が住む横浜市では書式が決まっていて横浜市のHPから確認することが出来ます。印刷環境が整っていれば家でダウンロードし印刷することも可能です。先述した医師に記入してもらう書類がこちらになります。

横浜市の保育園給食において、卵は提供 or 完全除去の二択になっているため、生卵については扱いをどうするべきかを検討する必要がありました。せっかく加熱した卵は食べることが出来るのに、アレルギー食品として生卵が生活管理表に記載されていると、加熱した卵も提供できなくなってしまうためです。

基本的に保育園の給食では、厚生労働省で定められている【大量調理衛生管理マニュアル】で75℃以上1分以上の加熱が定められているため、原則生卵の提供はありません。ですが、複数人の園児を限られた人数でみている保育園において、万が一加熱不十分な卵料理が提供されてアレルギー反応が出たとしたら、気が付かず発見や投薬が遅れて命にかかわる状況になる可能性が0ではありません。

医師と相談した結果、リスク管理の観点からあえて保育園で卵を食べる必要はないだろうということになり、加熱卵は家庭で提供していくこととして保育園では【小麦・卵】を除去していただくことになりました。除去する

こちらの生活管理表は医師に書いていただくものですが、私の娘の病院では書類を預けてから書くのに1週間かかるといわれたので、保育園への提出で期限などが定められている方は注意が必要です。

我が家の場合、アレルギー検査の結果が出るのが保育園入園ギリギリになってしまったため、給食が始まる前日に提出。なんとか給食開始に間に合うことが出来ました。

保育園での面談

医師から言われている娘のアレルギー症状についての詳しいお話しや、今後のアレルギーに対する取り組み方を共有するために、保育園の施設長・栄養士さん・看護師さん・保育士さんと面談を行いました。

具体的には、娘の詳しいアレルギー症状と家で離乳食をどのように提供しているか。今後アレルギーが出ている食品にどう取り組んでいく予定か。保育園での給食対応の確認などです。

保育園の栄養士さんからは「まだ乳児さんなので他の子が食べているものに手を伸ばしてしまい誤食してしまうことも考えられます。0歳児さんの給食の麺類などは米粉のうどんやビーフンで統一したりとできるだけ対策をして事故を防ぐように努めていこうと考えています」とお話がありました。

提供時のトリプルチェックお盆や食器の色を変えるなど様々な工夫を説明してくださり、お手数をかけてしまって申し訳ない気持ちと、感謝と安心の気持ちが半分ずつでした。本当にありがたいです。

アレルギーのある離乳食の取り組み方

アレルギーが発症してから今後の離乳食をどうしていばいいのか。不安に思う方も多いと思います。

私の娘の場合は、保育園では卵も小麦も除去していただくような形で対応していただいていますが、家庭では以下のように継続して食べていくようにと医師からお話しがありました。

  • 小麦安全に食べられる量を模索して、その量を週に2~3回食べていく
  • 生卵は家庭でも禁止。加熱卵黄は継続して量を増やしていく。卵黄1つ分食べられるようになったら加熱白身を微量ずつ混ぜていき開始する

小麦の量についてですが、昔は負荷試験(=食べることが出来るギリギリの量を食べ続けていくこと)が主流だったようです。研究が進み今では安全に食べられる少量を食べ続けていても、食べられるギリギリの量を食べ続けていても、3歳になった時にアレルギーを克服している確率は変わらないといわれ始めていると医師に教えていただきました。安全に食べられる量を模索し食パン1㎝×1㎝からスタートしていくことになりました。

加熱した卵は少しずつ量を増やしていき全卵を目指していこうと思っています。慣らし保育の時期には体調を崩すこともあり、免疫が弱っている時には怖いなと思いながら、無理せずゆっくり進めるようにしています。

お出かけの時や作るのが面倒な時は、頑張らずに市販のベビーフードを使っています。食物アレルゲン7品目不使用の商品も増えてきていて、ラインナップが充実しているので食べ飽きることもなく進んで食べてくれています。

おやつはお米で出来ているおせんべいも多くありますし、卵ボーロはでんぷんで出来ていて小麦が使われていなかったりするので、上手に組み合わせながら離乳食に取り組んでいけたら良いなと思っています。

皆様に気を付けてもらいたいこと

小麦・乳・卵はできれば6か月以降がおすすめ

先述した通り、私の娘は生後5か月半から卵を食べ始めていました。ですが、アナフィラキシーショックが出た場合のお薬は生後6か月からしか処方することが出来ないそうです。生後6か月よりも前にアレルギーの出やすい食材を試して万が一反応が出た場合に、様子見をするしかない状況になってしまいます。

お子さんが苦しい思いをしてしまうことになってしまうのを避けるために、できれば小麦・乳・卵は生後6か月を過ぎてから進めていくのがおすすめです。

私の娘は万が一アレルギー反応が出た時のために【レボセチリジン塩酸塩ドライシロップ0.5%】というこな薬を、処方していただきました。飲んだあとは必ず医療機関にかかるよう注意書きもあります。

※おくすりに関することは私もあまり詳しくないので、必ずご自身でお調べになってください。

調理器具やスポンジの管理に注意

これは我が家で実際に起こったことから得た教訓なのですが、ある日の朝食に自分用に卵かけご飯を用意し娘には離乳食を。食べ終わってから下膳したお皿を一緒に洗ったことがありました。

生卵がついた私のお茶碗を洗ったスポンジで、そのまま離乳食のお皿を洗い、自然乾燥させてから次の日に離乳食を提供したところ、わずかですがアレルギー反応が出たことがありました。洗った後のすすぎが甘かったことや、スポンジの管理が不十分だったことで生卵の成分が離乳食のお皿に残ってしまったことが原因だったのだと思います。

しっかりと洗っていれば起こらなかったことかもしれませんが、せわしない毎日でリスク管理をしていくために、我が家では

  • 大人用と娘用のスポンジを分けること
  • お皿が同じシンクに入っている時は娘の離乳食用のお皿から洗うこと
  • すすぎをしっかり行う習慣をつけること
  • 離乳食は専用のお皿に入れ大人は使わないようにする

という風にしています。ちなみに私はこの出来事がトラウマになってしまったのでたまごかけごはんは娘が家にいる時は食べないという自分ルールを課しています(笑)

初めて食べる時のポイント 

ここまで長くなってしまいましたが、最後に私の経験を踏まえて、アレルギーが起こりやすい食材を初めて食べる時のポイントをお伝えしたいと思います。

  • 口の周りにワセリンなど保湿剤を塗ってから食べる

皮膚とアレルギーには深い関りがあります。食材が直接皮膚に触れることもある口周りはワセリンを塗って保護しておくと安心です。

  • 口周りをゴシゴシ拭きすぎない

アレルギー反応なのか、皮膚の摩擦での発赤なのかはんだんがしにくくなってしまうため、ポンポンと優しく拭くようにしましょう。

  • シンプルな離乳食で試す

アレルギーの原因をしぼりやすくするために、調味料を使うことや、食材をたくさん使った料理はできるだけ避けることが望ましいと思います。アレルギーが出やすい食材でなければそこまで神経質にする必要はありません。

まとめ

私も妊娠中に離乳食の資格の勉強をしている時は、まさか自分の娘がアレルギーを持っているなんて想像もしていませんでしたが、今では娘のために勉強をしていたのかも。と思っています。まだまだ知識が浅いので勉強を続ける日々です。

アレルギーのお子さんを持つママさんは意外と身の回りにたくさんいて、それぞれ悩みながら不安の中頑張っていると思います。私もその1人です。お子さんを守るために頑張って情報を集めている自分たちに拍手を送りたいです。

きっと成長につれて良くなっていくと信じて、離乳食期を乗り越えていきましょう。

とても長くなってしまいましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。

この記事を書いた人

離乳食アドバイザー&管理栄養士
菅理栄養士取得後、高齢者施設にて従事。ご利用者様1人1人に合った食事介助の提案や体重管理など食事面でのサポートを行う
出産を機に離乳食アドバイザー・妊産婦食アドバイザーを取得
離乳食のお悩み相談実績あり

体験談

コメント